第6回 校友会未来塾 報告

第6回 NSGカレッジリーグ校友会未来塾

 11月8日実施

 

講師:株式会社ペットウィズ 

   代表取締役社長 柿本 晃亜 氏

 

講演テーマ:「人とペットを幸せにする仕事」

 

講師の柿本社長は、自己紹介をする前にこう語られた。「創業11年目。異業種交流は大事だと思っている。たとえ仕事につながってもつながらなくても――。」

117k132その言葉に、今回の未来塾への期待と、ペットだけではなく、人と人のつながりに想いを持たれているのだと感じた。柿本社長の「今を変えたい、これからは今よりもより良くしたい。その為にいろんな意見を聞きたい。ペットの事情も知ってほしい。一緒に幸せになれるようなことをやろう。」という、強い想いが伝わってきた。

 

株式会社ペットウィズは2002年に設立された。柿本社長ご自身が飼われていた犬が夜中に病気になったり、一緒に遊べる場がなかったりすることに困っていても、相談するところや解決してくれるところがなかった。夜遅くまで働いて家にいる時間はわずか6時間で、ペットを飼う環境ではないと言われても、好きだから飼っていたと、当時を懐かしそうに振り返る表情が印象的であった。同時に、『好き』なことで『困った』『何とかしたい』という思いを起業につなげたという意味では、とても真っ直ぐな人柄を感じる。自宅の一室で起業した当時、犬は好きでも全然知らない業界。苦労も多かっただろうが、周りの人たちへの感謝と、不幸なペットたちの環境をどうにかしたいという想いを熱く語られ、参加者も聞き入っていた。

 

株式会社ペットウィズは阿賀野市にある。国内最大級のドックランを有し、ゆったりとしたペットホテルも併設している。年末年始も休まないということだから、会員の方には心強い存在であろう。

ある年、会員数が減少に転じた際に、ドッグランそのものの必要性について悩んだことがあったそうだ。「必要ではない。なくても死なない。」117k165と極論を展開されたが、休日をペットとともに過ごすことを楽しみにしている飼い主は多い。大事な休みの一日をドッグランで犬も飼い主も喜び楽しむことは、ファンが大声でアルビを応援することと同じような効果があるだろう。柿本社長が第一に掲げる、ペットのQOL、そして飼い主のQOLの向上に、まさに貢献しているのではないか。

 

講演のおわりに、柿本社長は真剣な表情でこう話された。『僕は、犬がいるから仕事ができていると思っている。』『命に対する責任がある。できる限りのことはしたい。』

その想いを最も表している作品として、「孤独な犬の歌」を読み上げられた。せつなくも力強い声に、動物への強い愛情と、動物を愛する人に貢献したいという想いを感じた。

 

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The Solitude a Song(和訳:孤独な犬の歌)

作者不詳、引用:http://wankogundan.fc2web.com/solitudeasong.html

 

私が何をしたのか誰か私に教えて下さい。

なぜ鎖につながれ、こんなに長く

放っておかれるのか誰か私に教えて下さい。

子犬で初めてこの家に来た時は、皆さんとても喜んでくださった。

大きくなるまでの一時期は、一緒にいろんなことをしたものでした。

ご主人は、友として、コンパニオンのしつけをしてくれると

奥様は、一人ぼっちで淋しい思いなどさせないと

子供たちは、毎日ブラシをかけ、食事をくれると

一緒に遊んで散歩に行ってくれると、言っていました。

ええ、あの日々が続いてさえいれば・・・・・。

でも今は、ご主人は忙しくて時間が取れず、

奥様は私の抜け毛を嫌い、子供たちは散歩に行くこともなく、

いつも返事は「あとで」ばかり。

あの方たちを喜ばせる方法を誰か教えて下さい。

私に出来るのは、愛する事だけ。

誰か説明してくださいませんか?

なぜ、あの方たちは私の愛を欲しがったりしたのでしょうか?

いまではその愛も、鎖につながれたままなのに・・・・。

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今回、校友会未来塾で初となる、講師に対して参加者が提案をするというタイプのグループ別ディスカッションを取り入れた。ディスカッションテーマの『人とペットを幸せにする、新しいビジネス』について、多くの案が出た。ペットを飼うライセンス制度、動物とのコミュニケーションシステム、犬以外の動物ビジネスなど内容も多岐に渡った。柿本社長はそれらを全てメモに残されていた。持ち帰り、検討されるとのこと。今後、実現に向かうかもしれないと思うと、とても楽しみである。

この会の初めに校友会総連合会阿部会長の挨拶の中に、校友会未来塾を県内外から注目を浴びるような面白い会にしていきたいと挨拶があった。今回のように、講師と参加者とのコラボレーションで新しい企画が生まれ、それが起業へつながる可能性もあると思った。

もっと多くの会員の方々に参加していただき、交流を広げ、私生活や仕事に活かしていただきたいものである。